梅雨の頃、ふと道端で目にとまる紫陽花(あじさい)。青や紫、桃色や白、土壌のpHによって色が変わるというこの花は、ひとつの株の中でもさまざまな表情を見せてくれます。どの色も魅力的で、だからこそ梅雨の空に映えるのでしょう。
そんな紫陽花を眺めていたら、ふと、華道の「流派」が頭に浮かびました。草月流、池坊、小原流…それぞれに歴史と哲学があり、美しさの捉え方や表現の手法も違います。けれど、どの流派も目指しているのは、花の個性を引き出し、調和をもって空間に生かすこと。その“違い”があるからこそ、華道は奥深く、多様な魅力を放ち続けているのだと思います。
紫陽花の花言葉には、「移り気」や「無常」など少し儚げな意味がある一方、「和気あいあい」「家族団らん」なんていう温かなものもあります。これは、変化を受け入れながらも、調和を保とうとする姿の象徴なのかもしれません。
この紫陽花と流派の話、実は企業や組織にも通じると感じています。会社それぞれが持つ「流派」——たとえば、重視する価値観や文化、リーダーの信念、働き方のスタイルなど——は異なっていて当然。でも大切なのは、それぞれの“色”を活かしながら、どこに向かっていくのか、どう在りたいのかという「芯」を見失わないことなんですよね。
実は私も、華道のお稽古で月に一度、作品を生けています(こっそり言うと母の指導のもとです笑)。同じ花材を使っても、向きや組み方を変えるだけで印象はがらりと変わります。これは経営にも似ていて、環境や人が変われば、同じ資源でも違った価値が生まれる。それをどう活かすかが、経営者やリーダーの腕の見せ所なのかもしれませんね。
あなたの会社やチームの紫陽花色は、どんな色でしょう? 移ろいの季節にしなやかに寄り添いながらも、根っこをしっかり張って咲いていく。そんな経営や働き方、私たちも一緒に目指していきませんか?
今日も、自分らしい色で、しなやかに歩んでいきましょう。
小野 史人
株式会社ライブリッツ・アンド・カンパニー、代表取締役/中小企業診断士/MBA。千葉商科大学大学院 商学研究科 教授。
華道教室を営む母(師範4段)を横目にみつつ、気が付けば、心を整えるために、月に1回は自身で花を生ける経営コンサルタント。
2015年には日本経営診断学会会長賞、2018年には中小企業庁長官賞を受賞。2020年にはBatonzベストアドバイザー2020にも選出されました。
長年にわたり、企業の未来を支える経営の現場に寄り添ってきました。
華道の未来に、経営の力を。美しいだけでは、文化は続かない。
伝統を守りながら変革を生み出すために、経営コンサルタントの眼で華道業界を捉え直します。
経営理念は「成長の歴史と証を共に創り、心を、組織を、未来を、動かす」